演歌界大注目の新人歌手・門松みゆきさんのデビュー曲「みちのく望郷歌」が話題です。
何が話題になっているかというと、その歌詞の中の「ホーヤレホー」という一節。
その歌唱力の高さも相まって、とても印象的なフレーズとなっていますが、実はこのフレーズ、ある有名小説家の名作、さらに昭和に大ヒットしたある名曲が関係しているということです。
ということで、今回は門松みゆきさんのデビュー曲「みちのく望郷歌」の印象的なフレーズ「ホーヤレホー」が生まれたきっかけに迫ってみたいと思います。
門松みゆきデビュー曲「みちのく望郷歌」の歌詞
それではまずは門松みゆきさんのデビュー曲「みちのく望郷歌」の歌詞をご紹介します。
「みちのく望郷歌」 作詞:石原信一 作曲:藤竜之介
#1
北にひとすじ あかね雲
遠く呼ぶのは母の声
恋をなくした目頭に
何でふるさと浮かぶのか
アーホーヤレホー 帰りたい
ホーヤレホー 帰れない
生まれついての意地っ張り
みちのく育ちはよ 耐えて咲く
#2
外し忘れた風鈴が
慣れた祭りを連れてくる
そろい浴衣で盆踊り
幼馴染は今どこに
アーホーヤレホー 逢いたいよ
ホーヤレホー あわんだよ
夢で今夜も大花火
みちのく仕込みのよ 辛抱さ
続いて本人コメント付きミュージックビデオもご紹介します。まだご覧になっていない方は歌詞と合わせて素晴らしい歌声をお聴き下さい。
門松みゆき「みちのく望郷歌」ミュージックビデオ(本人コメント付き)
何度視ても惚れ惚れする歌唱力、歌う表情、抜群のプロポーションですね。
そんな彼女の歌唱力を存分に引き出したこの曲の中で特に印象的なのが「♬ホーヤレホー」というフレーズです。
続いてはそのフレーズが何をきっかけにして生まれたのか、調べた結果をご紹介していきたいと思います。
♬ホーヤレホーは森昌子の大ヒット曲から生まれた?
「みちのく望郷歌」の1番2番でそれぞれ2回ずつ繰り返されるフレーズ「ホーヤレホー」。
一体どこから生まれたものなのでしょうか。
この曲の作詞を担当した石原信一さん、実は昭和の大ヒット曲を作詞した経歴があります。
その曲は、森昌子さんの「越冬つばめ」です。
越冬つばめと言えば、「ヒュルリ ヒュルリララ」のフレーズが最も印象に残りますよね。
石原信一さんは長年、「ヒュルリ」に次ぐ切り札となるフレーズを、これまで幾度も求められてきたそうです。とても苦しい思いをされてきたのではないでしょうか。
そんな石原さんが苦しんで苦しみ抜いた末、ふとした機会に読んだある有名小説家の名作にインスパイアされ「ホーヤレホー」が誕生したとご本人自ら語っています。
その名作は、森鴎外の代表作のひとつ「山椒大夫(さんしょうだゆう)」です。
その作品の中にこのような一節があります。
「安寿恋しや、ほうやれほ
厨子王恋しや、ほうやれほ
鳥も生あるものなれば、
疾う疾う逃げよ、逐はずとも」
森鴎外『山椒大夫』より
これは「安寿と厨子王」の母親がすずめを追い払うために子供恋しと歌ってた一節と言われています。母が子供に会いたいという泣き声を「ほうやれほ」と表現しています。
ここから「ホーヤレホー」というフレーズが誕生したのですね。
逢いたい気持ちを表現するフレーズだということがわかりました。
表現力豊かな門松さんの歌にもぴったりだったのではないでしょうか。
まとめ
今回は、演歌界大注目の新人歌手・門松みゆきさんのデビュー曲「みちのく望郷歌」のフレーズ「ホーヤレホー」が生まれたきっかけとなる曲についてご紹介しました。
作詞家 石原信一さんが作詞を務めた昭和の名曲、森昌子さんの「越冬つばめ」がそのきっかけとなる曲でした。「ヒュルリ ヒュルリララ」の大ヒットに次ぐフレーズをということで長年苦しみながらも生み出した渾身のフレーズだと感じました。
そのあたりもふまえて曲を聴くとより一層深みが増しますね!
最後までお読みいただきありがとうございました!